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20世紀を代表する作曲家、ルチアーノ・ベリオの声楽作品集

-for beautiful landscape with music-

 BRAVO Café コラム #31

2021年5月15日

昨日のコラムでは、BRAVO Café のMDが、ウィリアム・クリスティの古楽CDをご紹介したのですが、今日は一気に時代を飛び越えて、店長のわたしが大好きなルチアーノ・ベリオ(1925-2003)の興味深い声楽のCD「ベリオ 歌おう-Berio To Sing」を取り上げます。

わたしが学生時代を送っていた1970年代の東京では、イタリア文化会館、ドイツ文化研究所、アメリカ文化会館などが、こぞって当時の現代音楽の演奏会を無料で提供してくれていました。

とりわけ、イタリア文化会館は、自国の作曲家ルチアーノ・ベリオなどの作品紹介に熱心で、さまざまな楽器によって演奏される連作シリーズ「セクエンツァ」などを聴くことができました。

同じ頃、渋谷に西武劇場(後のPARCO劇場)がオープンして、その開館記念演奏会にベリオの奥さんでメゾソプラノのキャシー・バーベリアンが来日、声のための「セクエンツァ」をはじめ、ベリオの編曲によるビートルズナンバー「イエスタディ」「ミシェル」「涙の乗車券」などを歌いました。

わたしはこの公演を聴いていたのですが、見るもの聴くもの初めての経験という感じで、その衝撃は今でも心に残っています。とくに、音叉を何度も耳にあてながら、とてつもない音程の跳躍を繰り広げるシーンには、圧倒されました。

今日のコラムでご紹介するのは、フランスのメゾソプラノ、ルシール・リシャルドーと、声楽・器楽アンサンブルのレ・クリ・ド・パリの演奏による、ベリオの声楽作品集「ベリオ 歌おう=Berio To Sing」です。

女声のための「セクエンツァ」やビートルズナンバーから「ミシェル」なども収録されていて、ベリオの魅力を知るには格好の作品集となっています。

トレーラーでは、「ミシェルII〜メゾソプラノ、フルート、クラリネット、ハープ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスのための(1965-67,『ビートルズの歌』より)をご覧いただきます。

(BRAVO Café 店長)