―前回は、福田さんが、映画「マチネの終わりに」の音楽を監修したことから、主演女優の石田ゆり子さんとの交流が始まったところまでお聞きしました。
同じ頃、福田さんは世界中で長年つづけてきたマスタークラスの経験を生かした教則本を執筆する企画を立てていました。すでにツイッターで発信していたミニレッスンに、その萌芽が見られるのですが、文字になったものとしては、専門誌「現代ギター」の連載があります。もちろん、紙に記され、本に綴じられたレッスンメソッドは大切ですが、それとは別に、映像と音で立体的に表現する方法を、福田さんは模索していました。
―そこで、白柳プロデューサーが企画を立案したのですね。
以前、このコーナーでご紹介したCD「デュオ・コンチェルタンテ」録音の際、映画監督の大墻敦さんがドキュメンタリー映画を制作しました。
―どのような内容だったのですか?
演奏家たちと録音スタッフの面々によって、音楽コンテンツが生成されていく過程をドキュメントタッチで描いたもので、1時間近い作品です。そこから再編集したものが、「デュオ・コンチェルタンテ」のプロモーション映像として使われています。
大墻さんの映像センスは、福田さんも大いに気に入っており、ぜひ彼を監督に迎えて映像と音によるギターレッスンを制作しようということになり、いそいで企画を立案し、予算をまとめました。
―まさに、ザ・ギターレッスンが誕生した瞬間ですね。
すでにお話ししたとおり、女優の石田ゆり子さんには、福田さんを通して、ゲストとして参加してほしい旨を打診していたのですが、ついに出演OKとなり、いよいよ制作が開始されました。
(続く)
(BRAVO Café 番組ディレクター)