―撮影は2020年の8月から始まったと聞いていますが、まさにコロナ禍の中での仕事となったわけですね。
2019年と翌20年を比べると、コロナ禍がはじまった20年以降は、世の中が大きく変わってしまいました。私たちがいる音楽業界にとっても、ライブやイベントができない状況がはじまり、経験したことのない厳しい事態となりました。撮影現場も、スタッフの健康管理や消毒、検査などは当然のこととして行い、密を避け、ランチは個食による黙食、こまめに換気の時間を作るなど、現場は、通常の収録では考えられないくらいの緊張感にあふれていました。結果的に、スタッフ、キャストをふくめて、ひとりの感染者も出すことなく収録を終えることができたのは、本当によかったです。
―収録にはたいへんなご苦労があったのですね。
たしかに、苦労といえばその通りなのですが、やはり福田進一先生の的確なレッスンには目をみはりました。マスタークラスの中で、台本のないドラマが見事に展開していく様子、生徒さんたちの演奏が手に取るように改善されていく状況を見るにつけ、制作側の苦労は吹っ飛びました。さらに、福田先生の明るい性格が、収録現場の雰囲気をつねに暖かく照らしてくれていて、緊張感はあったものの、精神的にはリラックスした雰囲気の中で仕事を進めることができました。
―「ザ・ギターレッスン」では、音楽大学の学生を含め、若い生徒たちが収録に参加していますね。
すでにプロとして活躍している徳永真一郎さんや猪居亜美さんはゲストとしてお招きしましたが、生徒役として、現役音大生の大島 祥さん、現役大学生の森田莉子さん、さらに撮影当時は中学生だった福山日陽さんに出演してもらいました。
―それぞれの方々が、福田先生が認める次世代のホープたちですね。
まさに、最近のコンクールでも上位に入ってくる人たちです。もちろん、ギター界は人材が豊富で、彼らの他にも優れた演奏家は大勢います。もし、今後パートIIを制作するチャンスがあったら、ぜひ、他の若手にも参加してほしいと思います。
―7回にわたり、プロデューサーの白柳龍一さんに「福田進一 ザ・ギターレッスン」制作秘話をお聞きました。お話に出たパートII、ぜひ期待してます。
ありがとうございます。まずは、今回完結した全12回のレッスンをより多くの方々に見ていただき、ご意見などをもとに、次回の構想を練りたいと思います。ぜひ、BRAVO Café にご覧になった感想をお送りいただければと思います。これからも「福田進一 ザ・ギターレッスン」を、どうぞよろしくお願いいたします。(おわり)
(BRAVO Café 番組ディレクター)