BRAVO Café で配信中の「加野景子 New York VIOLIN LAVO」、第2回はヴィヴァルディとピアソラの《四季》から「春」をお送りしていますが、加野さんをソリストに迎え、アグレッシヴな演奏を聴かせてくれるのは、ペガサスと言う小編成のオーケストラで、創始者はカレン・ハコビアンさんです。
ハコビアンさんは、アルメニア系アメリカ人で17歳の時にカーネギーホールデビューを果たした俊英。ピアノばかりでなく、作曲や指揮もこなす彼は、偉大な先達、レナード・バーンスタインの後ろ姿を追いかけているようにも見えます。大編成のオーケストラを招聘することのできない地域でも、ぜひオーケストラの醍醐味を味わってほしいというコンセプトのもと、ハコビアンさんによってペガサスは創設されました。
通常は、80人くらいの編成で演奏されるガーシュインの《ラプソディー・イン・ブルー》を18人編成に編曲し、自らピアノと指揮を弾き振りで演奏するなど、多くの人びとに音楽の楽しさを届けています。ユニークな活動をつづけるペガサスですが、ニューヨークでは早くからその存在を知られていて、名門ニューヨーク・フィルハーモニックの伝説のコンサートマスター、グレン・ディクテロウさんと共演し、東海岸の老舗ラジオ局WQXRで1時間の特番が組まれるなど、広く注目を集めています。
来たる2022年には、リンカーンセンターで、ラフマニノフのピアノ協奏曲全曲演奏会の開催が決まっているハコビアンさんですが、ピアニストとしての演奏は、加野さんの伴奏をつとめたCDアルバム「マンハッタン・ストーリー ニューヨーク冬」と「マンハッタン・ストーリー ニューヨーク 春」で、聴くことができます。
(BRAVO Café 店長)