昨日のコラムで予告したとおり、本日から不定期で「福田進一 ザ・ギターレッスン」について、プロデューサーの白柳龍一さんにお話をお聞きします。
――まずは、福田さんと白柳さんの出会いからお話いただけますか?
「福田進一 ザ・ギターレッスン」についてお話しできる機会をいただきありがとうございます。もちろん、福田進一という偉大なギタリストの存在はかねてから知っていましたが、実際に仕事で関わりを持つようになったのは、2010年、私がナクソス・レーベルの日本法人、ナクソス・ジャパンにCOOとしてジョインしてからのことです。
ナクソスには、ノーバート・クラフトという彼自身もギタリストのプロデューサーがいて、カナダでレコーディングスタジオを主宰しています。福田さんはノーバートの耳の良さと、スタジオの音響の良さ、その両方を気に入り、武満徹の作品など、多くの録音をカナダ制作でナクソスに提供してくれています。
――なるほど、最初の出会いは世界最大のクラシック・レーベル、ナクソスだったのですね、
実際に、彼と一緒に企画を立案して実践するようになったのは、ナクソス以降のことです。2016年、私はナクソスのCEOを退任したあと、浜田理恵さんのフランス歌曲集を皮切りに、R-Resonance(アールレゾナンス)というレーベルを立ち上げたのですが、その第2弾として、ライナー・キュッヒルさんと福田さんのデュオ・アルバムを企画しました。
――それが、有名なアルバム「デュオ・コンチェルタンテ」ですね。
有名かどうかは分かりませんが、リリース以降、かなり多くの方に聴いていただいていることは事実です。この企画を発想する源になったのは、以前、ライナー・キュッヒルさんと当時のウィーン・フィルの首席ハープ奏者、グザヴィエ・ドウ・メストレさんのデュオアルバムを制作した際、パガニーニの《ヴァイオリンとギターのためのソナタ 作品2》をハープ演奏で入れたのですが、この時から、ヴァイオリンとギターのアルバムを作りたいと考えていました。キュッヒルさんとは30年近く仕事をご一緒してきていますが、その後、ナクソスで福田さんとのご縁ができたことから、この二人でデュオを組んでもらう企画を考えたわけです。
――なるほど、そういう経緯があったのですが。まだまだお話は続きますが、この先は次回ということで。
(BRAVO Café 番組ディレクター)